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工事レポート

工事レポート

2023.11.04

隣家への落雪対策工事

①.ご挨拶

皆さんこんにちは。
クラフトワークス代表の根市です。

前回の工事ブログUPより
些か期間が空いてしまいました。
(忙しさを言い訳にサボってました!)

夏の間は大変忙しくしていただき
感謝感謝で御座います。

あっという間に11月。
年内も残すところわずかですね。

建築従事者様もそうでない方も、
皆様ご安全に
今年の総仕上げと参りましょう!

 

②.落雪トラブル。

今回のお客様のお悩みは、
中古購入した物件の屋根落雪近隣トラブル。

実際に入居して一冬過ごさないと
解らないトラブルですよね。

昨年の冬季間にご相談の連絡をいただいており
その時の状況がこちらです。

上下に鉄骨のフェンスがありますね。
ご近隣様へ配慮しているのは伝わります。

ただですね…
上のフェンス。
これはもっと屋根に近づけて
屋根の先端とフェンスの間で
落雪をとどめる必要があるのです。

とどめて落とさずに、
自然のエネルギーで
少しずつ溶かすのが目的です。

これだけ離れていては落雪して当然かな。

また上下のフェンスで空間が離れすぎており
落下の衝撃でツララや硬い雪が
飛び散るのは想像に難くありません。

聞けば、結構凶悪に凍り付いた
落雪が飛び散り危険だそう。

うーん、
少々かゆい所に届いていない
設計になっていますね。

勿論、中古で購入したお施主様は
その辺はご存じでは無く、

「フェンスもあるから安心だね!」と
思ってしまったことでしょう。

事情を説明し、
解決に向け何かしらの工事が必要な事を
ご納得いただきました。

 

③.いざ着手

事前に考えられる落雪対策計画として

・フェンスの改良
・落雪防止部材の取付
・屋根板金の形状変更
・融雪部材にて強制処理

などが考えられます。

何が、お施主様にとってベストなのか?
現状の状況や将来の不安材料やデメリット等を費用対効果も含めしっかり検討します。

細部の調査の結果、
御施主様にとっては大変残念な
著しい欠陥が見つかってしまいました。

屋根の軒先です。
⇩UPにします。

地面から見上げているだけでは
解らなかったですが、
軒先がサビ腐食でボロボロに砕けています。

海岸沿いのお住まいでもないのに
随分なサビ具合だな。
経験上、なんだか腑に落ちません…

更に調査を進めましたら、
原因が解りました!

さきほどの屋根先端腐食の軒天井側です。

下端ヨドと呼ばれる屋根先端と軒天井との
取合いに取り付ける部分です。

凄まじいサビですね。

このサビが屋根先端にも移っていたのです。

じゃあ、どうして下端ヨド
ここまで錆びたのか?

古い下端ヨド板金の下から、
新しい下端ヨド板金を
絶縁もせずに重ねておりました。

 

古くサビが発生している金属に
新しい金属を重ねる。

その板金同士の隙間に結露や雨の伝い水が溜まる。

常に湿気があり当然板金のサビ腐食は早まります。
静電気や電蝕作用で錆びも加速するでしょう。

 

いやいや。
これはどうなんでしょう。

建築屋としての矜持は?
知識良識あるならばタブーでは?

大変残念ですが、
ここまでサビが酷いと
屋根板金自体が寿命です。

屋根板金も葺き替えを主体にし
且つ落雪防止工事を行います。

屋根先端の鼻折れになっている部分も
屋根下地を改良し真っすぐにします。

↑旧屋根板金撤去

黒い紙は、建築紙といいます。
旧式の防水シートですね。
厚手の不織布に重油を染み込ませ
その油分で撥水させます。

ただし、年数が経つと
油分は抜け乾燥し、
ボロボロになりますので
あまり信頼は出来ないです。

野地板の状況。
雨漏り等による腐食はないですね。

野地板を剥がします。

軒先の形状変更に耐えれる様に
屋根下地で垂木という角材を追加します。

 

ここでもう一つ問題が発覚です…

問題の箇所を拡大します。

お解りいただけましたでしょうか?

ヒントは、
2階天井のせっこうボードの裏地が見えています。

ピンと来た方いらっしゃいますかね?

・・

・・・

そうです。
断熱材が入っていないのです。

これでは冬季間に
暖房で温まった空気が天井裏へ漏れ放題。

ましてや、
外壁や窓はしっかりリフォーム済み。

という事はですよ!

その分、外壁や窓の気密性が良くなっているので尚更小屋裏へ逃げてしまいます。

冒頭申し上げた
凶悪な凍り付き!というのも
納得できます。

これも対処が必要なので
小屋裏ブローイングという
断熱材改良工事を行いました。

屋根先端を真っすぐにし、
小屋組み補強を行い。
断熱改良ののち、
屋根板金を葺きました。

屋根板金は、
ハゼと呼ばれる2cm程度の掴みが
勾配の落雪方向に抵抗になる様に
施工しています。

これで工事完了です。

 

④.最後に

今回もご覧いただきまして
ありがとうございました。

お陰様で屋根の落雪対応の
ご依頼ご相談を多数頂戴しております。

年内も降雪時期までに数組様が
工事をお待ちいただいております。

必ず間に合う様に順番に
お伺いいたしますので
もう少々お待ちくださいませ。

函館市・北斗市・七飯町などの道南地域で
住宅リフォームを検討の方。
屋根の落雪トラブルでお悩みな方。

参考にしていただき、お困りな際は
是非弊社にもお声がけ下さい。

それではご縁に感謝して。
ありがとうございました。