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工事レポート

工事レポート

2022.08.07

長年放置した外壁の亀裂…

①.ご挨拶

皆さんこんにちは。
クラフトワークス代表の根市です。

いよいよお盆も近づき
少しずつ秋に向けて進んでいきます。

北海道の建築業者は、
雪が降るまでに予定しているお仕事を、
どれだけ進められるか?
が、とても重要です。

積雪シーズンになると
工事スピードは顕著に低下し、
安全面などに大変気を使います。

このまま順調に
進んでいって欲しいものです。

仲間の業者さんも同業他社さんも。
みんな怪我無くご安全にいきましょー!

 

②.外壁の修繕

弊社では様々な修繕やリフォーム
に対応しております。

その中でも、
やはり外壁修繕のご依頼は比率が高めですね。

最近の外壁工事では、
とある症状が起こっている
お宅の工事が多いんです…

注意喚起も含めて、今回はそのご案内を!

それは、

・・
・・・

蟻害です。

蟻害といったら、
白蟻が連想されますよね。

函館は白蟻が生息しています。
近年、温暖化と建物断熱性能向上で
札幌や小樽、空知圏でも発見されていますね。

北海道は白蟻がいない。
と言われていたのは一昔前です。

白蟻はとても恐ろしいです。

ヤツラに狙われ建物内部に侵入されたら
もう相当な被害の覚悟が要ります

ヤツラは無差別テロ的に
木部の内部に入り込み
気の済むまで食べ進みます。

被害初期は施主様の自覚症状も少なく、
発見が遅れるので
気が付けばとても恐ろしい被害です。

ただですね、
怖いのは白蟻だけではありません。

黒蟻でもかなりの被害になるんです。

「でも、黒蟻は木材を食べないでしょ?」
と思いますよね。

そうです!
食べません。
ですが、蓋を開けたら内部はボロボロ。
甚大な被害が出ています。

今回のお話は黒蟻被害です。
では、その理由をご説明していきます。

 

③.その原因は放置した外壁の隙間や亀裂からの雨漏り

文字だけだと飽きられてしまうので(笑)
早速写真でご紹介です。

まずは黒蟻で外壁躯体に被害が
生じてしまった写真を見て下さい。

↑モルタル外壁撤去 バラ板状況

↑バラ板撤去後 躯体状況

↑別箇所解体後 躯体状況

↑躯体 柱と土台の結合部

拡大すると

どうですか?
この様な状況です!
木材に黒い丸い影が見えると思います。
これが黒蟻が巣を作る為にほじくった穴です。

その数たるや、数百です!!!

黒蟻が巣を作り木材をボロボロにしています。

このお宅は土台が無くなっており
柱が宙に浮いている状況でした…😰

別のお宅のケースでは、

この様な状況です。

カチカチの木材が
粉々でボロボロです。
きな粉や麩菓子の様になっていました。

こちらは外壁下地だけではなく
屋根下地や梁まで被害が及んでおり
修繕の日数も費用も大変残念なものと
なってしまいました。

 

③.黒蟻が狙う理由

木材が健康に乾燥状態にある内は
黒蟻被害は起こりません。

そうです。
原因は木材の腐食。

そのきっかけは雨漏りです。

外壁や屋根などの隙間から入ってしまった
雨漏りにさらされ続け、
木材が水分が吸収していきます。

少しづつ。
少しづつ。
最初は本当に極微量な水分でしょう。

それでも長期間に渡り
湿り続けた木材。
それを腐朽菌に狙われ、
菌が木材の内部へ侵入し繁殖。
木材を腐らせます。

腐食し適度に柔らかくなった木材は
アリたちにとって格好の寝床になります。

建物躯体に巣を作る事は、
さぞメリットが多いんでしょうね。
・外敵に狙われず。
・豪雨で浸水もせず。
・台風で飛ばさせることも無く
・外壁の内側なので暑さ寒さも丁度良い。

それはそれは住みやすい事でしょう。

でもですね。
オーナー様はたまったもんじゃ無いですよ。

通常の外壁工事と全く違い
相当な追加費用が掛かります。
30万円とかはあっという間です。
状況によっては、
100万円以上かかることもあるんです😥

どうか、どうか皆様。
木造住宅において、
雨漏りの長期間放置が
どれ程、酷なものなのか。

そのツケが後からの修繕に
どれ程の重しになってしまうのか。

少しでもご参考になれば
幸いでございます。

 

⑤.いざ着手

構造躯体の腐食や蟻害の修繕は
とても地味で大変な作業なんです。

まずは、土台や柱などで
ビスや金物が固定出来ない程
ボロボロになっているところを
地道に取り除きます。

↑柱 腐食部撤去

↑土台 腐食部撤去

撤去した部分と厚みを合わせて
木材を加工し固定します。

↑柱及び土台 木材埋木状況

↑土台 アンカーボルト固定状況

時には基礎に後付けのアンカーボルトを
打ち込み固定します。

この木材の補強時に既存の躯体より
飛び出ることが無い様にフラットに
修めるんです。

2~3mmはみ出たら
明らかに外壁の仕上げに影響が出ます。

腐食している範囲を特定し
均一の厚みで撤去して
木材を補強していく。

とても大変な作業です。
それはそれは時間も掛かります。
時間が掛かるという事は、
そうです費用も掛かってしまうんです。

↑防腐塗料塗布

↑構造用合板張り&防腐塗料塗布

↑構造用合板繋ぎ目の防水シール打設

↑透湿防水シート貼り&防水テープ貼り

といった流れです。
この写真の様な作業を
腐食箇所ひとつずつ行っていきます。

2,3日先の天気の様子を日に何度も
確認し雨仕舞を考えます。

ひとまとめに全部壊してやれるなら
どれほど楽でしょうか(笑)

雨が降る前での時間を計算しながら
一か所ずつ丁寧に直していきます。

この様な作業を経て
ようやく外壁の仕上げ工事に
で行きます。

 

⑥.最後に

今回もご覧いただき
ありがとうございました。

今回はいつも以上に
長くなってしまいました(笑)

このブログで、軽微な雨漏りでも
長期間放置する事の危険性が
少しでも皆さんに伝われば幸いです。

「でも2000万円も3000万円も
かかっているんだから、結構頑丈でしょ?」
なんて思ってませんでしょうか?

木造住宅です。
木材です。
しょせん、ただの≪木≫です。

外に木材を雨ざらしにしたら
直ぐに変色して
虫が近づいてきて
数年で腐りますよね。

ましてや室外と違い、外壁の内部は
雨が入っても乾きにくいんです。

そりゃそうです!
風も吹かないし直射日光も当たらない。
乾くわけが無いんです。

大事なお住まい。
大事なお金。
どうか大切にされてください。

私たちも出来る事なら
付帯工事に数十万円の上乗せ費用を
お伝えしたくないんです。

函館市・北斗市・七飯町などの道南地域で
住宅リフォームを検討の方。
お住まいの中に蟻がでてくる。
外壁の亀裂やひび割れが心配などお悩みな方。

参考にしていただき、お困りな際は
是非弊社にもお声がけ下さい。

それではご縁に感謝して。
ありがとうございました。